新米2016

いよいよ稲刈りがスタートした。

1年に1回だけの稲刈りだ。

4月に種を蒔き、肥料をやり、5月に田植え、草取り、

追肥と防除をしてようやくの稲刈り。

9月の天気があまりぱっとしなかったが、それでも稲は

元気に育った。

 

今年の米は美しい。

美しい米は美味しい。

それは決まっている。

育てられた作物は美味しくない。

大きく育てられたからだ。

自ら育った作物が持つ美しさは

美味しさに直結している。

作物の持つ本来の味だからだ。

 

本来の味。

それは自然であり、私たちが本来必要としているもの。

 

より美味しく、より手軽に。

そういうことを追求したものとは違う、本来あるべき姿。

 

それは私たちの生きる姿と重なる。

 

先に進む文化と根源に戻る伝統。

その両方は大切な要素であることは間違いない。

しかし、本来の姿を知らないのはいただけない。

本来の姿を知ることで、自分が何者であるかを

知ることができる。

知ることができれば、よりよく生きることができる。

 

よりよく生きるとは長生きだけを指すのではない。

もちろん長生きも必要な要素だが、今、健康で自分の

健康な意思で生きることだ。

 

私たちは本来健康な意思の持ち主なのだ。

健康な意思は健康な体を作る動機。

 

新米の季節は、そういうことをもう一度思い出させてくれる

貴重な時期だ。