一人はみんなのために、みんなは一人のために

おそらく9年前の渡部家。
おそらく9年前の渡部家。

今、読んでいる『赤ヘル1975』(重松清 著)の中で、心に残る、そしてこれからチーム作りをする人たちに向けてのメッセージとして送ります。

 

野球について、赤ヘル軍団の山本浩二選手が中学生に向かって話す場面です。野球をアルティメットに置き換えても、会社に置き換えても、家族に置き換えてもいいんだろうと思います。

 

実際の本には会話文の間に文章がありますが、あえてここでは省略します。

 

P.432〜

 

「去年までずーっと最下位じゃったカープが、なしてこがあに強うなったか、わかるか?」

 

「軍団になったからじゃ」

 

「プロも中学生もおんなじじゃ。野球は一人じゃあできん。そうじゃろう? チームとチームの戦いは、結局、どっちのチームが一つにまとまっとるかで決まるんよ」

 

「ほいでも、仲良しこよしでもいけん。野球は実力の世界じゃ。年上が年下に負けることも、なんぼでもある」

 

「後輩に負けて悔しかったら、もっと練習すりゃええんよ。野球の悔しさは、野球でしか晴らせんのじゃけえ」

 

「レギュラーの選手は、補欠の選手に支えられとるいうんを忘れたらいけん。オノレ一人の力で試合に出られた思うとったら、大間違いじゃ」

 

「試合中もそうじゃ。野球は団体スポーツじゃけえ、どがあにすごい選手でも、一人ではなんもできん。じゃけえ、チームは『軍団』にならんといけんのよ」

 

「生協のスーパーに看板が出とるじゃろう。『一人はみんなのために、みんなは一人のために』いうて。野球もおんなじよ。誰かがミスをしても、みんなでそれを取り返していきゃあええ。一つや二つのエラーでピッチャーがカリカリしとったら、なーんもできゃせんわ。違うか?」

 

「逆に、ピッチャーが調子悪いときは、バックが守り立てんといけんのよ。のう、わしの言うとること違うか?」

 

「勝っても負けても悔いの残らんよう、一所懸命やりんさい」

 

以上