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気持ち

 タバコをふかしている人がいた。美味しそうにふかしている人。そうでもなさそうにふかしている人。苦しそうにふかしている人。どれも、ふかしていた。もちろん、ふかしていいところでだから文句もないのだけれど、原田マハさんの新刊『美しき 愚かものたちの タブロー』のなかで、吉田茂首相の葉巻をふかすシーンが多く出ていたので、気になった。

 

 物思いに耽ることと葉巻がとてもよくマッチしていると感じています。なぜかはわかりません。僕は葉巻もタバコもたしなみませんが、最近、物思いにふけってないあと思う節があります。急いで何かをこなしているというか。

 

 祖母がなくなったことは序文でも書きましたが、彼女はまさしくせっかちの代表だったような気がしていました。でも、振り返ってみると、りんごの摘果だったり、草むしりだったり、その最中にきっと物思いにふけっていたかもしれないあと。何を思っていたのかはわかりません。「りんごの摘果、誰か手伝ってくれてもいのになあ」かもしれないし、「草多いなあ」かもしれません。でもきっと何かしら思いを巡らせていたに違いありません。

 

 ここにきてようやく気持ちの整理がつきました。えんちゃんのことやら祖母のことやら。菅平に連れて行ってくれたのは、きっとえんちゃんだし、北上大会の終わりを待っていてくれたのは祖母でした。その思いを知りました。

 

 自分が何者であるか?自分のすべきことは何か?そんなことを改めて考えた7月でもありました。吉田社長とのUNG東北大会はまさにそれでした。たくさんの方々のご縁で、今がある。昨晩は息子ともそんな話をしました。

 

 怪我がよくなってきたということも、気持ちの整理がついた原因でもあります。見通しが立った気がするのです。やっぱり見通しが立たないと、人は前を向けないものですね。